【受講者の声】姿勢について〜SEED新体操教室 安藤紗由莉先生〜 コラム vol.9

「姿勢が良い」を思い込みにしない|安藤紗由莉先生|新体操安全コーチ資格
新体操安全コーチ資格|受講生の声

「姿勢が良い」を思い込みにしない安藤 紗由莉先生|SEED新体操教室

新体操では、美しく見える立ち姿が求められます。けれど、競技にとって「使いやすい姿勢」が、必ずしも身体にとって無理のない姿勢とは限りません。「姿勢について」を学んだ安藤先生が、反り腰や左右差、幼児期の発達、正常な立位姿勢について考えたことをご紹介します。

受講生コラム Vol.09講義テーマ:姿勢について

みなさま、こんにちは! 新体操安全コーチ資格事務局です。

このコラムでは、今年からスタートした「新体操安全コーチ資格」を受講してくださった先生方からの、各講義のご感想や現場での気づきをシリーズでお届けしてまいります。

今回も、SEED新体操教室にて子どもたちの指導にあたられている安藤紗由莉先生のご感想をご紹介いたします。

本資格でどのような実践的な知識を学ぶことができるのか。現在受講を迷われている方も、ぜひ安藤先生のリアルな声をご参考になさってみてください。

今回の講義|姿勢について
正常な立位姿勢の見方、新体操やバレエで起こりやすい姿勢の特徴、成長段階による違い、代償動作や関節へのストレスなどを学び、「美しく見えること」と「身体に無理がないこと」の両方を考える講義です。
LEARNER VOICE 09

安藤紗由莉先生が学んだ「姿勢について」

新体操やバレエでは、立ち姿そのものが表現の一部になります。そのため、幼い頃から「姿勢を良くする」「身体を引き上げる」「脚を外に開く」といった意識を繰り返し身につけていきます。

一方で、その競技特有の姿勢が強くなりすぎると、本人には「姿勢が良い」と感じられていても、実際には反り腰や左右差、関節への過度なストレスにつながっている場合があることを、安藤先生は今回の講義から改めて考えました。

新体操で使いやすい姿勢と、
身体にとって無理のない姿勢は同じとは限らない。安藤紗由莉先生|受講後のご感想より
お名前
安藤 紗由莉
所属
SEED新体操教室
活動
子どもたちへの新体操指導
今回の講義
姿勢について
FIVE REFLECTIONS

講義を受けて見えてきた、5つの視点

01

講義を受けて感じたこと

新体操はバレエと同様に、日常生活では使わない体勢を取り、それは極めようとするほど人間本来の骨格から外れた姿勢を強要してしまう可能性があります。

選手になると、立ち姿や歩いているだけで新体操かバレエをやっていることを見抜かれるくらい、常日頃からアンディオールを意識しており、それは染み付いたものであって、もはやこれが楽な姿勢になっています。

誰もが思い浮かべる姿勢の悪さは、猫背や巻き肩などですが、これに当てはまらないがゆえに特有の不良姿勢というものを実感しておらず、むしろ自分は姿勢正しく立っていると思い込みがちです。

我々指導者は、新体操で使いやすい姿勢にさせようとするあまりに、骨格に無理をさせてしまう恐れがあることを理解しながら、筋肉や関節に過度なストレスがかかっていないか、客観的に判断する必要があると強く感じました。

02

自分のこれまでを振り返って気がついたこと

私は幼い頃から歯列矯正をしており、そこでは噛む力の左右差チェックと、マス目の前に立って歪みのチェックを合わせて行っていました。噛む力はそのまま姿勢にも表れており、私は著しく肩の高さがずれていました。

また、つい先日も歯が原因で片側でしか噛めない生活が続いている時に、正面から写真を撮る機会があり、自分で違和感があるくらい肩に力を入れて下げないといけないほど歪んでいました。

姿勢は本当に日々の癖や習慣すべてが表れるもので、そもそも不良姿勢に自分で気付くことが難しく、指摘されてもかなり意識して修正しなければ直すことが厳しいです。

また、新体操は腰椎と胸椎を伸展させる姿勢を取り続けるため、基本的に反り腰に引っ張られやすい傾向にあります。私自身、小学生の時は良かれと思って腰を反って立っていたのも、先生の指導で気付かされましたが、負荷を自分でかけた危険な姿勢でありました。

LEARNING POINT

「胸を張る」「腰を反る」「脚を外へ開く」といった競技上の見た目だけで姿勢を判断すると、身体のどこかで代償が起きることがあります。姿勢は一部分ではなく、頭部・胸郭・骨盤・膝・足部など全体のつながりで見ることが大切です。

03

現場でどのように活かせそうか

正常な立位姿勢というのを知ることができ、簡単に確認できるランドマークを5点学ぶことができたので、基礎練習の中に皆でチェックし合う時間を取るのも面白いと思いました。

姿勢はつい楽な方に流れがちで、今のうちから身に付けておくのが絶対に将来の自分を助けることになります。正しい姿勢の大切さが分かれば、足を上げたり開脚したりする際の左右差も少しずつ気になってくるもので、片方しか練習したがらない子も、左右どちらも満遍なく使うようになるのではないかと期待しています。

新体操での不良姿勢は、やりやすさからきているものかもしれませんが、正しい姿勢が最小限の力で効率良く立てるということを周知させていきたいです。

04

受講前と受講後で変わったこと

生徒は3歳の子から受け持っており、バレエのように足のポジションを変えながら姿勢良く立つ練習をしていましたが、幼児の脊椎は未発達で、この段階では姿勢を直さなくて良いとの話があり、初耳で自分の知識不足が恐ろしくなりました。

姿勢を矯正するほどの厳密さで指導はしていませんでしたが、お腹が前に出ていてまっすぐ立てていないと内心思っていたため、今後は人体としての正常な姿勢であることを念頭に置いてチェックしていきます。

また、新体操としての理想を個人の体格を無視して追い求めることは、足首や膝に代償動作が表れてしまうため、無理はしないように心掛けたいです。

関節にストレスがかかって痛めてしまう理由や、本来使用しない筋肉の負担になって筋肉が盛り上がっていくような現象にも、部位ごとに様々な原因があり、それら一部の不良が全体の姿勢につながっていることを改めて確認できました。

正しい姿勢は、
最小限の力で効率よく立てる姿勢。安藤紗由莉先生|受講後のご感想より
05

生徒に伝えたいと思ったこと

バレエ特有の不良姿勢が出てしまうくらい私の生徒は姿勢を意識できていないというのが実状で、行き過ぎは良くありませんが、新体操は姿勢を正しくするには相応しいスポーツではあると思うので、基本的な頭の位置を高く保ち、重心を引き上げて立つことを身に付けてもらいたいです。

新体操やバレエほど立ち姿を毎回確認し、正しく美しいことを基盤とするものはないと思われますので、デメリットには指導者が注意しておきつつ、メリットの部分は小さい時から大切にできるように覚え込ませたいと思います。

ストレートネックや巻き肩は社会全体で増加傾向にあり、それらを回避する正しい姿勢に必要な筋肉の使い方を自然と学ぶことができるのは、新体操を習わせたいと思う保護者の方からも重要視されているポイントなので、レッスンで怠らずに何度でも立ち返っていきたいです。

BEAUTY WITHOUT OVERLOAD

美しく見えることと、身体に無理がないことを両立する

安藤先生、今回も解剖学的な視点を取り入れた貴重なご感想をありがとうございます。

新体操やバレエでは、一般的な猫背や巻き肩とは異なる、競技特有の姿勢が身につくことがあります。特に、過度なアンディオールや反り腰のように、本人にとっては「良い姿勢」と感じられていても、骨格や関節には負担がかかっている場合があります。

大切なのは、見た目だけで判断するのではなく、その姿勢をどの筋肉で支えているのか、どこかに代償が出ていないか、本人の成長段階や体格に合っているかまで考えることです。

また、幼児期の身体は大人の縮小版ではありません。成長途中の身体を「大人の理想的な姿勢」へ無理に近づけるのではなく、その年齢にとって自然な発達を理解した上で指導することが必要です。

一方で、新体操には、頭の位置を高く保つ、身体を引き上げる、左右差に気づくなど、日常生活にも活かせる身体感覚を育てられる大きな魅力があります。

「正しい姿勢は、最小限の力で効率よく立てる姿勢」。この視点を持つことで、美しさを追求することと身体を守ることは、対立するものではなくなります。

これからも新体操安全コーチ資格では、競技特有の美しさを大切にしながら、一人ひとりの骨格や成長に配慮した安全な指導を考えていきます。

次回のコラムでも、受講生の皆様のリアルな声と、学びを通じた指導現場のアップデートをお届けしてまいります。「新体操安全コーチ資格」に興味をお持ちの先生方、今後のコラムもぜひご期待ください。

新体操安全コーチ資格事務局

執筆:新体操安全コーチ資格事務局

受講生の皆様から寄せられた講義のご感想と、指導現場での気づきをシリーズでご紹介しています。

NEXT STEP

見た目だけではなく、身体の仕組みから指導を考える

新体操安全コーチ資格では、解剖・姿勢・トレーニング・ウォームアップとストレッチ・栄養・心理・ハラスメント・コーチングなど、子どもたちを安全に支えるために必要な視点を専門家から体系的に学びます。今の指導を見直したい方、これから指導者を目指す方もオンラインで受講できます。

© 新体操安全コーチ資格
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