みなさま、こんにちは! 新体操安全コーチ資格事務局です。
このコラムでは、今年からスタートした「新体操安全コーチ資格」を受講してくださった先生方からの、各講義のご感想や現場での気づきをシリーズでお届けしてまいります。
今回もSEED新体操教室にて子どもたちの指導にあたふれている安藤紗由莉先生のご感想をご紹介いたします!
本資格でどのような実践的な知識を学ぶことができるのか、また現在受講を迷われている方も、ぜひ安藤先生のリアルな声をご参考になさってみてください!
クラス構成の基礎知識
① 講義を受けて感じたこと
新体操はバレエから派生しており、基礎はバレエにあるというのが新体操選手の共通認識です。今回はそのバレエと比較しながら新体操独自の手具の存在にも着目して、身体の使い方がどのように変化するのかを論理的に学ぶことができました。
新体操にはメソッドという指針が無く、プロというのも無いため、私自身選手としても指導者としても実績がないまま経験値だけで指導に当たっている不安要素が長年ありました。理想の形を追い求める中で、なぜできないのかを筋肉や関節レベルで分解して見極める方法をこれまでの講義で少しずつ学び、今はできなくともすべきであるという自覚が芽生え、安全という面ではもちろん、トレーニングのバリエーションが増えたことも生徒の楽しさに繋がり、ひいては技術の向上に繋がっていくと思われます。私の指導者としての自信や指導の根拠もこうした中で培っていきたいです。
② 自分のこれまでを振り返って気がついたこと
新体操の指導者になり競技としての部分から長らく離れていたので、新体操を評価する要素について思い出すことができました。私は柔軟性が劣っていたので、身体で魅せるというよりも手具操作で点数を稼げるように努力し、自分が憧れる選手が長けている音楽との融合や表現などの芸術点にこだわりました。オリンピック選手を見ても、特徴的な個性が演技に全面に出ており、何を重視するかは人それぞれです。私の生徒にはそのような個人のパラメーターを引き出して、何が得意なのかを認識させてあげられるほどの指導はしていなかったように思います。
レッスンを通して柔軟性、筋力、感覚、身体特性のグラフを満遍なく底上げすることが、私の受け持つクラスでの任務だと感じるので、簡単な技ひとつとってもそれらの要素に触れて組み込んでいき、生徒自身が強化するポイントを認識できるようにまで引き上げられたら成長の速度が上がるのではないかと考えました。
③ 現場でどのように活かせそうか
今回の支持基底面と合成重心という概念は、年齢やスキルでの段階付けを合理的に可能にし、クラスの中で一斉に同じ技をさせた時でも個人のパラメーターに合わせた提案がやりやすくなりました。手具操作の中で必要な動きを、手具なしでもできていないにも関わらずさせており、人によっては説明しても全くできないということがありましたが、これは必要なステップを踏ませてあげられていなかったのだと省りみることができたので、今後はどのクラスでも理想へ向かう1歩目から指導していきたいと思います。
④ 受講前と受講後で変わったこと
新体操やダンスでも基礎練習にルルベでパッセのキープをするというものがありますが、あまり得意ではなく数秒でぐらついてしまい、言葉では原因を説明できない苦手意識がありました。しかし、講義に基づき支持基底面を感じ、その上に重心を持っていくというイメージをするだけでバランスが止まりやすくなり、長い時間止まることができました。生徒は片足のバランスが悉くできず、両足のルルベもままならないため、私のこの感覚を言語化できるようにし、理論的な説明と知見を合わせてアドバイスできるようになりたいと思います。
また、バランスの際の手の位置も重心を定める重要な要素であったので、どこならバランスが止まれるのかステップを作って、それを調整することを念頭に置いていきたいです。
⑤ 生徒に伝えたいと思ったこと
理想の形を共有した際に、求めるところに到達していなくてもズルをする必要はなくて、今できる正しい形をやる大切さを丁寧に伝えていきたいです。これが顕著に表れるのが横開脚や前後開脚をした時で、痛みに耐えられずすぐに骨盤をずらしてしまいます。私自身180度開くようになったのが物心つく前で記憶になく、どのような段階を経て開くようになったのか経験で教えることができず、また180度以上は椅子に乗せて自分の意思で限界を突破してきたので、今の生徒に当てはめることができず、ストレッチの適切な程度の痛みの中で徐々に柔らかくしていくという部分の指導に難しさがありました。しかし、代償行動のリスクを今一度学ぶことができたので、ゆっくり時間をかけて何度も基本に立ち返って、生徒自身で身体の向きが合っているか理解できるまで向き合っていきたいと思います。
安藤先生、今回も解剖学や物理学の視点を取り入れた素晴らしいご感想をありがとうございます。
新体操特有の「明確なメソッドがない不安」を、長年のご経験に頼るだけでなく、先生ご自身のルルベの感覚が理論によって言語化できたエピソードは、まさに本資格が目指す「感覚の論理的変換」の素晴らしい成功体験です。
また、開脚などの柔軟において「代償行動」のリスクを理解し、見栄えよりも「正しい形」を第一にステップを踏んで指導するアプローチや、年齢・スキルに応じた細やかなクラス構成の工夫は、子どもたちの安全と確実な技術向上に直結します。
今回も講義のご感想を通し、安藤先生の生徒一人ひとりの特性に寄り添う温かい眼差しが伝わってまいりました。
論理的で安全な新しい指導を、これからも共に実践していきましょう!
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