選手の個人情報を守るために、国はいま何を伝えている?

選手の個人情報を守るために、国はいま何を伝えている?|新体操教室の情報管理【2026年10月】
新体操安全コーチ資格/国や行政の取り組み

選手の個人情報を守るために、
国はいま何を伝えている?大会・遠征・演技動画・健康情報。新体操教室の情報管理を考える。

2026年10月16日、IPAは不正アクセスの被害や疑いがある組織を支援する特別相談窓口を開設しました。国は個人情報の管理について、事故への対応だけでなく、日頃の備えを呼びかけています。選手と保護者から預かった情報を、教室でどう守るか。法律と新しい行政の発表を、現場の行動につなげます。

執筆:セーフダンスアソシエーション/新体操安全コーチ資格公的情報確認:2026年10月16日カテゴリー:国や行政/個人情報保護
01/法律小さな教室も個人情報保護法と関係する
02/日常の運用大会・映像・健康情報の共有を見直す
03/事故への備え被害時の相談と法定報告を分ける
最初に知っていただきたいこと

選手の個人情報を守ることも、新体操教室の安全管理です。

個人情報保護法は、一定の条件で個人情報の名簿などを事業に利用している事業者に適用されます。大規模な会社だけでなく、個人で運営する新体操教室も対象になり得ます。

一方、行政が公表する注意喚起や学校向けの資料には、法律上の義務そのものではなく、事故を防ぐための考え方や参考事例も含まれます。この記事では、その違いを明らかにしながら、国の動きを新体操の現場へ伝えます。

集める理由を考える。
見る人を決める。
必要がなくなった情報は、持ち続けない。

※必要な情報だけを集め、適切に保管し、目的が終わったら見直すという考え方はSDAによる運用提案です。法律上の保存義務や安全確保に必要な情報まで一律に破棄する意味ではありません。

2026年10月|国の新しい動き

10月16日、IPAが不正アクセスの特別相談窓口を開設しました。

10月上旬からの注意喚起に加え、被害やその疑いがある事業者への初動対応支援も始まっています。

10月16日|IPA・新しい相談窓口

不正アクセス特別相談窓口を開設

実際に不正アクセスの被害が起きている、またはその可能性がある全国の企業・組織を対象に、初動対応の助言や専門業者の案内を行います。相談窓口は法令上の漏えい等報告先とは別です。

電話:03-6759-5760(平日9:30~17:30、12:00~13:00を除く)。メール相談も可能です。

IPAの公式発表を見る ↗教室との関係:実際に不正アクセスを疑う事象が起きた際の相談先候補
10月7日|個人情報保護委員会

個人データの漏えいを防ぐための注意喚起

大規模な漏えい事案を踏まえ、事業者に注意を呼びかけました。10月9日には解説動画も案内されています。

公式発表を見る ↗教室との関係:名簿などを管理する事業者として、現在の法律と安全管理を確認
10月9日|IPA

情報を預かる事業者へ、対策の点検を要請

最近の不正アクセス事案を踏まえ、システムやアカウント、保有データの安全対策を見直すよう促しています。経営者も自分ごととして考える必要があります。

公式発表を見る ↗教室との関係:予約や決済を外部サービスに任せる場合も確認したい内容
10月8・9日|JPCERT/CC

不正アクセスの手口や兆候を共有

国内の複数の被害事案について、技術的に確認されている攻撃の兆候を公表しました。すべての事件が同じ手口だと決めつけていません。

公式発表を見る ↗教室との関係:システム担当者・委託先に点検を依頼する参考
10月13日|NICT

アプリの情報から、裏側のサーバを攻撃する手口を分析

公開されているアプリを手掛かりに、利用者の情報を扱うサーバを狙う「A2B攻撃」を説明。アプリを提供する事業者への対策を示しました。

公式発表を見る ↗教室との関係:自分の教室への攻撃が判明したという意味ではなく、委託先の管理を考える材料
ここが大切です。

これらの注意喚起は、一般の新体操教室に新しい専門資格の取得や特定のシステム導入を一律に義務づけたものではありません。個人情報を扱う事業者に対し、すでに必要な安全管理を確かめたり、対策の強化を促したりするための情報です。

「予防の相談」と「被害発生時の相談」は分けて考えます。今回のIPA特別相談窓口は、被害が発生している、またはその可能性がある組織の初動対応支援を目的としています。一般的な制度相談や個人情報保護法上の報告とは窓口・手続が異なります。

法律として守ること

生徒数が少ない教室も、個人情報保護法と無関係ではありません。

名簿を作る・メールを送る・会員情報を保管する。身近な業務にも関わります。

たとえば、生徒の名前や連絡先を一覧にして、レッスンの連絡や月謝管理に使っている教室。個人情報を検索できる形で管理し、事業に使っていれば、個人情報保護法のルールが関係します。

主なルールには、利用目的をできる限り具体的に決めること、決めた目的の範囲で使うこと、必要な安全管理を行うこと、本人の求めに適切に対応することなどがあります。一定の場合には第三者提供の同意や、漏えい時の報告・本人通知も必要です。

人数だけでは判断できません。

仮に情報漏えいが少人数にとどまっても、不正アクセスや要配慮個人情報を含むなど一定の条件に該当すれば、法令上の報告・本人通知が必要になる場合があります。「1,000人以下だから報告は不要」と決めつけないでください。

2026年10月時点で確認したい点

名簿や入会申込書だけでなく、クラウド上の会員管理、保護者連絡用チャット、大会・演技発表会の映像共有、受講料の決済サービスについても、教室がどのような情報を預け、誰が管理しているかを確認しておきましょう。

2026年の法改正

2026年7月17日に改正法が公布。10月14日にも制度整備の検討が更新されました。

個人情報保護委員会によると、改正個人情報保護法は2026年7月10日に成立し、7月17日に公布されました。16歳未満の子どもの個人情報等の取扱いをめぐる規律も改正内容に含まれています。

ただし、2026年10月16日時点では、主要な改正内容は施行に向けた政令・規則・ガイドライン等の整備段階です。10月14日の個人情報保護委員会では、政令・規則の整備に向けた基本的な考え方の第3弾が決定されています。施行日と最終的な細則は、今後の公式発表を確認する必要があります。

「改正された」ことと「もう適用されている」ことは別です。

16歳未満の子どもの情報について、改正法の規定をすでに全面施行されたルールとして説明しないことが重要です。それとは別に、現行法のもとでも、子どもの情報には慎重な対応が必要です。

教室で今から考えられること

子どもの写真や動画の公開目的を説明する、本人・保護者の意思を尊重する、不要な個人情報を長期間持ち続けないといった取り組みは、施行を待たずに見直せます。ただし、これらは改正法の細部がすでに適用されているという説明ではありません。

個人情報保護委員会「令和8年 改正個人情報保護法について」 ↗

学校で起きている変化を知る

学校向けの注意喚起から、民間の新体操教室が学べること。

個人情報保護委員会は2025年6月、学校での個人情報の漏えい等の事例を踏まえて注意喚起を公表しました。学校では、名簿、成績、家庭への連絡、配慮が必要な児童生徒の情報などを日常的に扱います。

一般の新体操教室は学校と同じ制度で運営されているわけではありません。ただし、複数のコーチが子どもの情報を扱い、保護者へ一斉連絡し、大会の選手名簿や演技映像を保管するという点では似ています。

メールの宛先

保護者へ一斉送信するとき、他の家庭のメールアドレスが見えてしまわないか。

共有する範囲

アシスタントコーチや外部指導者が、担当しない子どもの情報まで見られる状態になっていないか。

持ち出しと保存

コーチ個人の端末、USB、私的なクラウドに名簿や写真が残っていないか。

対象の違い:この学校向け注意喚起そのものが、民間教室への新しい一律の義務を定めたわけではありません。SDAは、子どもを預かる別の教育現場がどのような危険を見直しているかを学ぶ資料として紹介しています。

学校向けの公式注意喚起を読む ↗

公表された具体例

「大きな組織の事故」から、小さな教室が学べること。

情報を扱う外部事業者にも、確認すべき点があります。

さいたま市:防災情報の配信事業者への不正アクセス

2026年10月13日、市は防災情報配信システムの提供事業者への不正アクセスを受け、メールアドレス34,783件、氏名・電話番号73件について漏えいの可能性を公表しました。発表時点では調査中であり、すべての情報の外部流出が確定したという発表ではありません。

教室への示唆:メール配信・会員管理・申込フォームを外部に任せる場合も、管理状況と事故時の連絡体制が重要です。

さいたま市の発表 ↗

タイムズカー:本人確認書類の情報漏えいが確認

運営会社は2026年9月29日、Webシステムへの不正アクセスに関する調査結果として、運転免許証画像などの本人確認書類が漏えいしたアカウントが約160万件と公表しました。含まれる書類の種類には学生証画像なども挙げられています。

教室への示唆:身分証・住所・緊急連絡先などは、提出が必要な場合も、収集方法と保存期間を特に慎重に検討しましょう。

事業者の公表を見る ↗
実際の被害と、発生する可能性がある被害は区別します。

情報が漏れたことと、その情報が詐欺などの犯罪に使われたことは同じではありません。また、上記の事故が新体操教室で起きたという意味でもありません。

新体操教室に置き換える

新体操教室は、選手のどんな情報を預かっているでしょうか。

名前や電話番号だけが個人情報ではありません。

入会・連絡

氏名、年齢、連絡先、保護者名、レッスン歴、受講料の支払い状況など。

指導と健康への配慮

けが・体調・服薬などの申告、練習制限の理由、相談記録。内容によっては特に慎重な管理が必要です。

活動・公開

顔写真、個人・団体演技の映像、大会の成績、所属クラブ、出場予定、練習日など。

大会・遠征の情報

選手の出場種目、移動・宿泊予定、同行者、保護者の緊急連絡先など。遠征に必要な人だけが確認できる共有方法を考えます。

団体演技・選抜の情報

団体演技の編成、選手の評価や選抜の経緯、個別の身体的配慮。本人に不利益を与えかねない情報は、むやみにグループで共有しません。

映像とデジタル記録

手具の演技分析動画、練習中のフォーム記録、音楽付きの演技映像。閲覧できる人・ダウンロード可否・保存期間を決めます。

健康上の情報が、すべて法律上の「要配慮個人情報」に該当するとは限りません。情報の内容によって扱いが異なるため、病歴など重要な記録は必要性と取扱方法を個別に確認します。

SDAからの提案:情報を「緊急時に必要」「指導に必要」「広報に使いたい」に分けてみましょう。広報のための情報は、本人・保護者の選択の余地を確保し、必要以上に記録を集めない運用が役立ちます。
情報を集める理由を考える

個人情報は、なぜ集められるのでしょうか。

体験レッスンの受付、大会・演技発表会の参加申込み、会員登録などでは、連絡や安全確保のために情報が必要です。一方、大会参加履歴や関心のあるクラスは、サービス改善や案内に利用されることもあります。

そのこと自体が悪いわけではありません。問題は、利用目的が伝わらないまま必要以上の情報を集めたり、最初に説明した目的とは違うことに使ったりすることです。

取得

申込みを受け付ける

必要な連絡先や安全上の情報を確認する。

管理

情報を預かる

誰が見られるか、どこへ保存するかを決める。

利用・削除

目的の範囲で使う

目的が終われば、法令や必要性を確認し見直す。

「この項目は、何のために必要ですか?」と聞かれたとき、教室側が分かりやすく答えられることが重要です。

保護者が聞いてよい5つのこと

  1. その情報は、なぜ必要ですか。
  2. どの目的に使いますか。
  3. 誰が見ることができますか。
  4. いつまで保存しますか。
  5. 公開や宣伝への利用を断れますか。

上記はSDAによる質問例です。法律がすべての質問に一律の形式で回答することを義務づけているという意味ではありません。

写真・名簿・外部サービス

練習・大会・遠征で、見直せること。

個人情報の安全管理は、難しいITの作業だけではありません。

写真・動画の公開を分ける

練習風景・団体演技の撮影、保護者への限定共有、SNS、選手募集の広告掲載はそれぞれ目的が違います。顔だけでなく、名前、所属、活動日時から個人が分からないかも確認します。

名簿を見られる人を限定する

教室代表、担当コーチ、外部指導者のうち、誰がどの名簿を必要としているかを決めます。担当を離れたコーチのアクセス権限は速やかに取り消します。

大会・演技発表会の申込みを見直す

在籍校名、住所、生年月日など、運営上必要性が説明できない項目は見直します。大会へのエントリーに必要な情報、結果掲載用の情報、緊急時の連絡情報は分けます。

委託先の管理を確認する

予約、決済、動画保存、メール配信のサービスについて、アクセス権限、利用規約、情報保存、事故時の連絡方法を確認します。契約上の委託と第三者への提供は、法的に同じ扱いとは限りません。

AIサービスへの入力を見直す

生徒の顔写真、氏名、けがや体調の相談内容を、外部の生成AIにそのまま入力しないよう注意します。業務利用時は、サービスの保存・学習利用・第三者への送信条件、利用目的、同意や必要な安全管理を確認します。

写真共有リンクと公開範囲を確かめる

「限定公開」でも、リンクを知る人が誰でも閲覧できる設定ではないか確認します。保護者への共有用とSNS掲載用は分け、公開の範囲・期間・削除相談窓口を決めましょう。

新体操教室で起こりやすい場面

実際の練習・大会・遠征では、どう管理する?

以下は行政が個別の新体操教室に義務づけた項目ではなく、個人情報保護法の考え方と公的注意喚起を参考にしたSDAの運用提案です。

大会の選手名簿

大会のエントリー資料を送るとき

大会主催者が求める氏名、生年月日、登録情報などを確認。関係のない家庭へ他選手の個人情報が届かない方法で送り、保管先と削除時期も管理します。

団体演技

団体の練習動画を共有するとき

動画にはほかの選手の顔、所属、練習日時が映ることがあります。保護者への限定共有とSNSへの公開を分け、再配布や転載について教室の方針を明確にします。

身体・健康の記録

けがや月経、体重の相談を受けたとき

必要な配慮をするための情報と、競技評価や宣伝用の情報は目的を分けます。詳細な健康情報の共有範囲を限定し、本人が話しやすい相談経路を設けます。

大会遠征

ホテル・移動表をグループで送るとき

宿泊先、部屋割り、移動予定、緊急連絡先は、安全確保に必要な相手へ必要な範囲だけ。SNSや誰でも開けるリンクには載せない運用を考えます。

外部コーチ

合宿や特別レッスンで担当者が変わるとき

外部指導者へ共有するのは、その指導に必要な範囲の情報です。契約・閲覧権限・保存先を事前に確認し、指導終了後のアクセス権を見直します。

退会・移籍

選手が教室を離れたとき

連絡先・健康相談・動画等を何のために保存するのか見直します。契約や法令上の保管が必要なものは適切に保管し、不要な公開リンクや共有権限を整理します。

補足:競技団体や大会主催者による登録・結果公表には、それぞれの規定があります。教室の広報投稿や動画の二次利用は、競技団体への必要な提出とは別の用途として検討しましょう。
教室の運営者ができる対策

まずは「アカウント」と「共有方法」を確認しましょう。

1

ログインを強くする

教室のメール、顧客管理、SNSの管理者アカウントには、多要素認証やパスキーを設定します。

2

担当者ごとに権限を分ける

共通IDの使い回しを避け、必要な人だけが個人データを見られるようにします。

3

復旧できる備えを持つ

安全なバックアップ、委託先の窓口、緊急時の連絡方法を決めておきます。

4

使っているサービスを棚卸しする

教室ホームページ、メール配信、フォーム、クラウド、決済、SNSの管理者・保存情報・緊急連絡先を書き出します。IPAは外部サービスの洗い出し、ログや不審なアカウントの確認を推奨しています。

5

更新と不要データの整理をする

教室が運用するWebサイトやアプリ等は、必要なセキュリティ更新を実施します。管理目的が終わった古い名簿や公開不要のファイルは、法令等の保存義務を確認した上で整理します。

行政の注意喚起を参考にしたSDAの運用提案です。

すべての教室へ同じ技術や製品の導入が法令で一律に求められるという意味ではありません。まずは今使っているサービスを一覧にし、誰が管理しているかを把握するところから始められます。

保護者・生徒の自衛

情報を渡す側にも、確認できることがあります。

  • 体験やイベントの申込みでは、必須項目と任意項目を見分ける。
  • 教室や大会の演技動画や写真の公開について、どこまで公開されるのか尋ねる。
  • メール・SNSなどで同じパスワードを使い回さない。
  • 対応しているサービスでは、多要素認証やパスキーを利用する。
  • 不審なログイン通知や怪しいメールは、記載されたリンクをすぐ押さず公式窓口で確認する。
  • 子どもが掲載を望まないとき、保護者もその気持ちに耳を傾ける。

画像は、一度公開されると複製される可能性があります。今の広報に役立つかだけでなく、将来、本人がどう感じるかも考えたいところです。

疑いが生じたときの最初の対応

個人情報が流出したかもしれない。そのときは。

1

これ以上広がらないようにする

不正なアクセス権や公開設定を見直し、必要な専門家や委託先へ速やかに連絡します。

2

何が起きたか、記録を残す

時刻、対象の情報、影響の可能性、対応の履歴を整理します。調査に必要な証拠をむやみに消さないことも大切です。

3

法令上の報告・通知が必要か判断する

要配慮個人情報、不正の目的が疑われる漏えい、財産的被害のおそれなど、法律の報告対象に当たるか確認します。人数だけで決めず、必要なら専門家に相談します。

4

本人に必要な情報と対策を伝える

通知が必要な場合は、確認できた事実と取るべき対策を案内します。分からない点は「調査中」と明示し、推測を確定事項として伝えません。

報告期限の目安は「速報3~5日以内」、確報は原則30日以内です。

個人情報保護委員会は、法令上の報告対象事態に該当する場合、発覚後速やかな速報(概ね3~5日以内)と、原則30日以内の確報を案内しています。不正の目的で行われたおそれがある場合の確報は60日以内です。すべての情報事故にこの手続が必要というわけではありません。

報告対象となり得るのは、要配慮個人情報、財産的被害のおそれ、不正目的が疑われる行為、本人が1,000人を超える漏えい等(いずれも所定条件あり)です。少人数でも報告が必要な事態があります。

すべての事故で同じ法的手続になるわけではありません。

報告・本人への通知が必要か、時期や方法がどうなるかは内容によって異なります。個人情報保護委員会の公式資料を確認してください。

2026年10月の追加情報:相談と法定報告の窓口を混同しないでください。

10月16日開設のIPA「不正アクセス特別相談窓口」は、被害や疑いがある組織への初動対応支援です。一方、法令上の漏えい等報告は、個人情報保護委員会等の所定窓口で行います。2026年10月1日からは「その他サイバー攻撃等事案」向けの共通様式も案内されています。対象・提出先は公式資料で確認してください。

IPAの特別相談窓口 ↗/個人情報保護委員会の報告案内 ↗

個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」 ↗

教室のための自主確認

新体操教室の個人情報を守る19項目

法律の条文をそのまま並べたものではなく、公的資料を参考にSDAが整理した教室向けのチェックリストです。

  1. 入会申込書の項目ごとに、集める理由が説明できる
  2. 利用目的を保護者や生徒が確認できる
  3. 名簿や連絡先を見られるスタッフを決めている
  4. 教室の管理者アカウントに多要素認証等を設定している
  5. 退職した担当者のアクセス権を消している
  6. メールの一斉送信方法を確認している
  7. 撮影とSNS掲載の同意を分けている
  8. 健康上の情報や相談記録の保管先を限定している
  9. 外部フォーム・決済・クラウドの管理者を把握している
  10. 保存期間と安全な削除方法を決めている
  11. 情報漏えい時の連絡先と初期対応を決めている
  12. 年に一度など、情報の取扱いを見直す機会がある
  13. 外部AIに生徒の氏名・顔写真・健康情報を入力する前に、安全性と必要性を確認している
  14. 委託先や自分のサービスで不審なログイン・設定変更がないか確認する手順を決めている
  15. 大会の出場者一覧・移動表・宿泊情報を必要な人だけに共有している
  16. 個人・団体演技の映像の保存先とダウンロード範囲を決めている
  17. けが、月経、服薬等の配慮情報を選抜資料や広報情報と分けている
  18. 合宿・遠征の外部コーチに渡す情報と返却・削除方法を確認している
  19. 退会・移籍した選手の共有フォルダー権限や動画の公開設定を見直している
小さな教室でも、一つずつ始められます。

まずは「どのサービスに、生徒のどんな情報があるか」を紙に書き出すだけでも、見直すべき場所が見えてきます。

よくある質問

教室が迷いやすい点を整理します。

個人で運営する小さな新体操教室にも、個人情報保護法は関係しますか?

はい。生徒名簿などの個人情報データベース等を事業で使っている場合は、教室の規模が小さいという理由だけで対象外にはなりません。必要な安全管理は事業の実態に応じて整えます。

入会申込書に在籍校名や詳しい住所を必ず書いてもらうべきですか?

法律がすべての教室に一律の記入項目を指定しているわけではありません。連絡・緊急時の安全確保などの目的を整理し、必要な情報だけを集める方法を考えます。

写真は撮影できれば、そのままSNSへ掲載してよいですか?

撮影と公開は別の目的です。本人を識別できる写真は個人情報となり得ます。公開の場所や範囲、名前の表示、削除の相談先を説明し、本人や必要に応じて保護者の意思を確認する運用が望まれます。

外部の申込フォームや会員システムを使えば、教室には責任がなくなりますか?

いいえ。サービスの利用だけで教室側の安全管理が不要になるわけではありません。委託先の管理状況、権限、契約、事故時の連絡方法を確認します。ただし、法的な役割分担は契約やデータの取扱いによって異なります。

生徒が10人程度でも情報漏えいの報告義務はあり得ますか?

あり得ます。報告義務の判断は人数だけでは決まりません。不正の目的で行われたおそれのある漏えい、要配慮個人情報を含む漏えいなどは、少人数でも報告対象になる場合があります。

学校向けの注意喚起は、新体操教室に直接適用されますか?

学校向け資料の内容が、そのまま民間教室向けの新しい法的義務になるわけではありません。ただし、名簿の誤送信や職員間の共有など、似たリスクを学ぶ資料として役立ちます。

2026年7月の改正個人情報保護法は、もうすべて施行されていますか?

いいえ。2026年7月17日に改正法が公布されましたが、10月16日時点で主要な改正内容は施行に向けた検討段階です。16歳未満の子どもに関する新しい規律と現行法での義務は分けて考えてください。

漏えいが疑われたら、まず何をしますか?

安全確保・被害拡大防止を優先し、関係する端末やアカウントの調査、証拠保全、委託先への確認を進めます。同時に、法令上の報告・本人通知の要否を速やかに判断し、必要に応じて専門家に相談します。

2026年10月16日開設のIPA特別相談窓口に、教室も相談できますか?

全国の企業・組織が対象ですが、実際に不正アクセスによる被害が発生している、またはその可能性がある場合の初動対応支援です。予防の一般相談や個人情報保護法に基づく法定報告とは別です。

生徒の写真や相談内容をAIで整理してもよいですか?

外部のAIサービスへ入力するときは、必要性、利用目的、サービスの保存・学習利用・第三者への提供条件、本人・保護者の意思、情報の種類を確認します。特定可能な子どもの情報は安易に送らず、匿名化したつもりでも組み合わせによる再識別に注意します。

大会に提出する名簿を、保護者のグループ全員に見せてもよいですか?

大会への提出が必要な情報でも、ほかの保護者全員への公開が必要とは限りません。送付先、閲覧権限、提出目的を分けて考え、必要な項目だけを安全に共有しましょう。

団体演技の動画を限定公開したら、SNSで再投稿してもよいですか?

限定共有とSNSでの公開は目的と範囲が異なります。顔や所属、氏名、場所や日時から個人が特定され得ることも踏まえ、公開前に本人・保護者の意向や教室の運用方針を確認してください。

合宿のために集めた健康情報を、外部コーチにすべて渡してよいですか?

安全に指導するために必要な情報と、共有の必要がない詳しい記録は分けてください。情報の性質・取得目的・本人への説明・法令上の取扱い・委託等の役割を確認し、担当者だけが必要な範囲で見られるようにします。

新体操安全コーチ資格

選手の情報を守ることも、安全な指導の一部です。

新体操の先生は、練習の安全だけでなく、選手の身体、気持ち、家族の情報も預かっています。大会の成績や演技映像を広めるときにも、選手本人の意思や将来の安心に目を向けたいものです。

集める理由を説明する。公開する範囲を決める。必要がなくなった情報を見直す。一人の先生にすべてを背負わせず、知識と手順で選手を支える教室へ。

※2026年10月16日時点の公的資料・事業者発表にもとづき、法令上の義務とSDAによる自主的な運用提案を区別して掲載しています。個別の法的判断は個人情報保護委員会や専門家へご相談ください。

執筆:セーフダンスアソシエーション

新体操安全コーチ資格の教育活動として、国や行政の発表を正確に伝え、競技と子どもの安全を支える教室運営へつなげるための記事を届けています。

SAFE DANCE ASSOCIATION / 新体操安全コーチ資格

公的情報確認:2026年10月16日

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